オートCPAP

CPAPの歴史的には、まず固定CPAPが登場し、次にオートCPAPが登場しました。

オートCPAPは、使用者の呼吸の状態を認識し、気道の閉塞が起こりそうになると、気道に送り込む空気の圧力を強くします。
一方、呼吸が安定している場合は、この圧力は弱くなります。
このように、気道に送り込む空気の圧力を自動的に調整してくれる装置になります。

固定CPAPよりも後発ということもあり、マスクの空気の漏れの検知や呼吸状態の把握といったさまざまなデータを記録することができます。
かといって、オートCPAPが万能である、ということではありません。
患者さんの呼吸の状態によっては、呼吸状態を正確に把握できなかったたり、空気の漏れ(リーク)が多い人には向いていないというデメリットもあります。

オートCPAPは、日々の気道の閉塞状態が一定ではない人や高い空気圧が必要な人が適しています。

固定CPAP

気道に送り込む空気の圧力を一定にし、その空気により気道を押し広げる装置です。
この圧力は、個々人による違う為、CPAPを装着した状態でのPSG検査によって得た結果によって、適切な圧力値を判断します。

決定された圧力値が高い場合、圧力が強い為、なかなか眠りにつけない場合があります。
そのような問題の対処として、装置をスタートさせた直後は、低い圧力値で、時間が経つにつれて徐々に決定された圧力値まで上げていく機種もあります。

CPAPは使用当初は、この空気の圧力が苦しいと感じるかもしれませんが、次第に慣れてきて、慣れた後は手放せないものになっていきます。

固定CPAPを使用する患者さんの多くは、マスクからの空気の漏れ(リーク)が多い場合に、固定CPAPを選ばれるようです。

CPAPの種類

CPAPの種類には大きくわけて2つあります。
1つは、固定CPAPと呼ばれ、気道に送り込む空気の圧力は一定になります。
もう一方は、オートCPAPと呼ばれ、気道に送り込む空気の圧力を気道の開き具合によって、自動的に変化させる機能を持っています。

どちらのタイプを使用するかは、患者さんの症状に合わせて、医師が最適なものを選定します。
ただし、医師が選定したものが絶対ではありませんので、使用してみて不都合がありましたら、すぐに医師と相談してください。
私自身、治療当初は固定CPAPでしたが、なかなか馴染めなかった為、医師に相談し、オートCPAPになったという経緯があります。

CPAPの治療費

SASの症状が中度から重度(AHIが20以上)であると診断された場合、CPAP治療は健康保険の適用対象となります。
その為、CPAPの装置は購入ではなくレンタル扱いとなり、レンタル料は無料です。

ただし、レンタルの条件として、月に1回の外来受診が必須です。
この外来受診の受診料が、健康保険の負担割合が3割の場合、自己負担が5,000円前後になります。

毎月5,000円支払うのであれば、購入した方が安いのでは?と思われるかもしれませんが、レンタルの場合、マスクの変更やフィルタ交換なども上記の受診料に含まれていますし、装置が古くなった場合に、新しい装置に交換することも無料で可能です。
ですので、レンタル/購入のどちらが良いのかは一概に言えません。

CPAPを使うためには

CPAPを使うためには、PSG(ポリソムノグラフィー)検査を行う必要があります。
この検査で、AHIが20以上であることが確認され、睡眠の質が低いことが判明した場合に、健康保険の適用対象となり、CPAPを使用することができます。

PSG検査により、SASの症状が中度から重度の人がCPAPを使用することができるわけですが、CPAPを使用するにあたって、気道に送り込む空気の圧力を各個人に合わせて設定する必要があります。
この適切な圧力値を判断する為に、CPAPを装着した状態で、もう一度PSG検査を行います。
これによって、CPAP装着の有無による検査値の比較を行い、治療の効果や適切な圧力値を観察します。

PSG検査は1泊の入院が必要ですので、CPAP装着前と装着後の計2回のPSG検査を行うことになるので、CPAP治療が開始できるまでに合計2泊の入院が必要となります。

CPAP治療は、毎日ご自宅で鼻マスクを装着をして、眠るだけです。
鼻マスクから適切な圧力の空気が気道に送り込まれ、気道が閉塞するのを防ぎます。
これにより鼻呼吸が楽になり、イビキも無呼吸も減少し、深い眠り、質の良い睡眠を得ることができます。

CPAPの装置は、健康保険が適用されている為、無料でレンタルすることができます。
ただし、保険適用の条件として、月に1回病院へ受信する必要があります。
この通院の際に、CPAPの装置に付属される睡眠時の状態が保存されるデータカードを使って、CPAPの使用状況や治療効果の確認を行います。

CPAPとは

CPAPは、Continuous Positive Airway Pressureの頭文字から命名されました。

 Continuous:持続的
 Positive:陽圧
 Airway:気道
 Pressure:圧力

これらの訳から、持続的気道陽圧呼吸療法とも言われています。

CPAPとは、シーパップと発音され、鼻に装着したマスクから空気を送り込み、その空気の圧力によって閉塞された気道を広げることで呼吸を楽にする療法です。
SASの治療法では一番ポピュラーな方法です。特に中度~重度のSASの人にとっては、高い効果があります。
この治療は、睡眠時にマスクを付けるだけで良く、薬の服用や手術が不要ですので、安全面においてもとても優れています。
SASと診断された場合、医療機関からCPAPの装置を貸与されるので、入院の必要がなく、自宅で治療を行うことができます。
SASの検査において、AHIが20以上の場合、SASと診断され、健康保険が適用されますので、医療費もあまりかかりません。

SASの統計データ

・SASの罹患率
 「Wake Up America」と呼ばれるアメリカの睡眠障害に関する報告書があります。
 これには、アメリカ国内の30歳から60歳の人で、SASの患者数は約1200万人に上ると報告されています。
 日本国内においては、まだSASに関する報告書はほとんどない状況で、患者数の詳細も不明な状態ですが、全国で症状を伴うSASに罹患している人は200万人にも上ると報告されており、症状を伴わないSASを罹患している人を含めると、この2、3倍の600万もの人が罹患しているのではないかと想定されます。

・SASの生存率
 中度以上のSASの症状を、治療することなく放置したままにすると、予後が悪くなることが報告されています。
 SASの専門家によって、実験が行われました。
 それは、治療を行っていないSASの患者を246名集め、症状が軽度の人と中度以上の人の2つのグループに分けます。
 ここでの軽症の人は、AIが20以下(n=142)であり、中度以上の人は、AIが20以上(n=104)という分け方です。
 この2つのグループの累積生存率を記録します。すると中度以上の人のグループは、生存率が明らかに低いことが判明しました。
 何と8年後の生存率は63%という驚くべき結果となったのです。

SASの診療科

SAS(睡眠時無呼吸症候群)を専門にしている診療所や医院があります。
他には、呼吸科や耳鼻咽喉科、あるいは睡眠外来のある神経内科が適しています。
症状が軽度の場合は、医者からの紹介により、歯科、口腔外科にて歯科装具による治療(スリープスプリント療法)を行うことがあります。

ESS

ESSとは、Epworth sleepiness scaleの略で、眠気の評価を行う尺度です。
具体的には、以下の8つの状況における眠気を0から3点の4段階で評価し、その合計点数が24点満点のうち、11点以上だと眠気は強いと判定します。
この評価方法は、SASの問診の際にも使われるものですので、ぜひチェックしてみてください。

・状況
 1、座って本を読んでいる時
 2、テレビを見ている時
 3、公共の場所で座って、何もしていない時(会議や演劇など)
 4、1時間以上連続して車に乗せてもらっている時
 5、休みの日など、昼食後、横になって休息をする時
 6、座って人と話をしている時
 7、アルコールと摂らずに昼食を食べた後、静かに座っている時
 8、車を運転中に、交通渋滞で2、3分停止している時

・点数
 0:決して眠くならない
 1:ときに眠くなる
 2:しばしば眠くなる
 3:眠くなることが多い

・合計点による評価
 5点未満:日中の眠気は少ない
 5~10点:日中に軽度の眠気がある
 11点以上:日中に強い眠気がある

セルフチェック

SASに罹患していると、以下の症状・特徴がよく見られます。
これはSASによって、睡眠が十分に取れないことが原因です。
心当たりがないかチェックしてみましょう!

・睡眠時の症状
 イビキをかく
 夜中に何度も目が覚め、トイレに行く
 息苦しくなり、目が覚める
 息が止まる
 呼吸が乱れる

・日中の症状
 睡眠時間を長くとっても熟睡した感じがしない
 昼間に強い眠気を感じる
 居眠りをしてしまう
 起床時に頭痛がして全身に倦怠感がある
 集中力や記憶力が低下する
 性格が変わる
 性欲が無くなる
 運動するとすぐに息切れする

・体型的特徴
 下顎が小さく上顎に比べ後退している
 扁桃腺が大きい、腫れやすい
 肥満体系である

これらの症状・特徴に当てはまる人は、昼間の眠気を数値で評価するESSを実施してみましょう。